ペルー・アマゾン日記 Day 1
行ってみるとそれほど
秘境でない「アマゾン」
南アメリカ大陸の西側にあるアンデス山脈を源流として、ペルーのアマゾン地帯を流れるマラニョン川とウカヤリ川が合流してアマゾン川と呼ばれるところに30万人都市イキトスがあります。
ペルーのアマゾンには道路が通っていないため、飛行機か船でしか行けない大自然地帯なので、欠航など不測の事態を考慮してクルーズの前日にイキトスに到着しました。
Words&Photos by Masahiro Saito.
飛行機が停まるとタラップを降りて、歩いて到着施設へ
アマゾン・イキトスへの行き方
アマゾンのイキトスへ他の地域から繋がる道はなく、川を利用して船で行くか、飛行機になります。日本から行く場合、ペルーの首都リマまで飛行機で行き、国内線に乗り換えるのが便利です。そんなところですから、欠航など危惧をしていたのですが、航空便は1日20便はあり心配は無用でした。夜明け前に飛び早朝に到着したイキトスは南半球の盛夏に入る季節、そして赤道の近くで、感覚的にはシンガポールや真夏のバリ島のような暑さでした。とはいえアマゾンといえば湿度の高いジャングルのイメージでしたが乾期の空気はそこそこ快適でした。ただ陽差しは赤道直下の強さでした。
空港からイキトスの中心までは30分ほど。タクシーもあるのですが、地元の交通手段を使うのが好きなので、まずはトゥクトゥクに乗りました。イキトスでは単純にモトと呼んでいました。
中心地に到着すると、立派な建物が多くあります。これらはアマゾンを開拓してバナナやゴム農園で一財産稼いだ庄屋さんが建てたものです。ちなみに今は軍の施設になっています。
イキトスの食事
日本から見るとアマゾンという語感自体が未開の地なのですが、実際にはヨーロッパ的なレストランが多く見られます。それらは100年前に農地開拓で成功した商人の住居だったりするのですが、老朽化に伴い放置されていた建物が修繕されて、カフェやレストランになっていたりします。
アマゾン・イキトスの市場
いわゆる市場は旅先の生活を知る最適の場所だと思っています。見た目あまり綺麗な市場ではなかったのですが、肉野菜が豊富に置かれ、定食屋さんも売り場に隣接して、地元のおじいちゃんおばあちゃんが食べていました。主菜は魚が多いようで、生魚、焼き魚のお店もありました。
以前ハバナでちょっとつまんだら、腹をこわして2日間立てなくなったことがあったので、クルーズ前ということもあり、今回ここで食べるのは控えましたが。
アマゾン・イキトスのカフェ
まだ中世が残る時代に、大農園を夢見てヨーロッパからの移民が作った街がイキトスではあるのだけど、街に放置されている豪邸が至るところに残っています。理由は単純で老朽化した建物を修理するよりも、新しいものを建てた方が便利だし、綺麗だからという事の模様。土地にゆとりがあるからという事ではあるのだろうけど、結果として朽ちつつ残った建物は、豊かな現代に再評価され、修復されて店舗になっていたりします。
アマゾン・イキトスのホテル、Hotel Morey
やはりイキトスの中心地近くで放置されていた豪邸の一つが、モレイ邸でした.ゴム農園で大成功したモレイ氏が1913年に竣工した邸宅は、その後銀行になったり、ペルー大学として使われたあと、放置されていました。2010年にフロリダ大学を退任してペルーにやってきた地政学者のボドマー教授が、建物の価値を再発見し、建物を維持管理するためにホテルとして私財を投じてリノベーションしたものです。
宿泊料金から考えられない広さのキッチン付きの客室。中庭に面したプール、やはり広すぎるロビーとレストランは、単に泊まるところではなく、大農園主の生活を追体験する空間といえるでしょう。
イキトスの見どころは街の中心に集まっていて、1日あれば十分に見られる広さです。朝モレイホテルで朝食を済ませたら、トゥクトゥクに乗ってベレン市場を見て回り、川沿いのマレコン・タラパカ通りにある、アマゾン歴史博物館やイキトス博物館を見て、お昼はアマゾン・ビストロか屋上階にプールのあるラ・テラサス・イキトス(食事をするお客さんはプール無料)でアマゾンを眺めながらのんびり過ごし、午後の陽差しが弱くなったら(あまり店も開いていませんが)アナコンダお土産市場を歩き、夕暮れ時には隣のフローティングバー、サビータでサンセットを眺めて過ごす、というのも素晴らしい体験になると思います。