CRUISE

あなたと一緒なら:
プロヴァンスのクルーズ

南フランスという言葉には、美しい花や、自然の素材で作った香水、素朴だけれども美味しい料理というイメージが浮かびます。
自然に囲まれたゆったりとした優雅で知的な生活とはどんなものか…プロヴァンスを流れるローヌ川の1週間のクルーズで体験してみました。


ローヌ川はスイスのローヌ氷河に源を発し、スイスのレマン湖を経てフランス第3の都市リヨンを通り、第2の都市マルセイユの西50kmほどに河口へと流れるフランスの大河です。
今回乗船したクロワジーヨーロッパのプロヴァンスクルーズは、河口近くの小さな街、マルティーグから乗船し、リヨン周辺までを巡ります。
プロヴァンスを代表するマルセイユ、カマルグ湿原、アルル、アヴィニヨン、風光明媚なヴェルコール、ボジョレー村などを訪ねました。
 

マルセイユからカマルグへ

一時はギャングの巣窟と呼ばれた地中海有数の大都市マルセイユも再開発によって、輝きを取り戻しました。
大型ヨットが並ぶ旧港周りの優雅さもいいですが、街を見下ろすように建つ美しいノートルダム・ドゥ・ラ・ガルト寺院の夕景はおすすめです。若者が自分たちの飲み物を持って、知らぬうちに集まり、サンセットを見ながら穏やかに語る雰囲気の良さにグッときます。
また素晴らしい陶器が集められたボレリー博物館も魅力的です。マルセイユの大商人ボレリー家が18世紀に建造し、19世紀には市に寄贈されたものです。
庭園側から見ると王宮と見紛う邸宅は、豪商のスケールが見て取れます。
次におすすめするのはカマルグ湿原です。
フランス唯一の水田があり、白馬の産地でもあるカマルグは、野鳥の保護地区でもあり、野生のフラミンゴなどを見ながらの乗馬も楽しめます。

ノートルダム・ドゥ・ラ・ガルト寺院の内部
カマルグで牛追いを見学する 

ローヌ川を上る途中。山間の村や一面に広がった葡萄畑に見入った。

 

アートの古都アルル、
キリスト教の総本山だったアヴィニヨン

ゴッホが多数の作品を描いたことで有名なアルルです。ゴッホが入院していた精神病院の庭はゴッホの絵を見本に再構築され、現在カルチャーセンターになっていて明るい雰囲気になっていました。
夜のカフェテラスのお店と公園は、今でも、ほとんどそのままの風景でした。お店には赤や黄色の花が咲いていて、気分が上がります。
フランス王とフランス人教皇によって約70年間、教都がバチカンから移ったのがアヴィニヨンです。強大だったフランス影響下で荘厳な中世都市が残っています。バチカンの優雅さとはかなり雰囲気が違って、戦う城のような雰囲気も持っていました。
そして美食のアルルも魅力的です。ここは下船港なので、数日滞在して美食を楽しみたいものです。最後に、ボジョレー村でしょう。世界的にボジョレーを有名にしたジョルジュデュブッフの博物館を訪ねました。
日本への輸出が5割ほどあり、日本人というだけで歓迎されます。それにしてもボジョレーだけでなく、それぞれの村の名前のワインも多数生産していることを知りました。

リヨン旧市街、中世そのままの風景。
アヴィニヨンの教皇庁の内部。ほとんどバチカンに移送されて寂しい。 

 

Food & Drink

 クロワジーヨーロッパを選ぶべき理由の一つは料理の美味しさでしょう。
南フランス産のチーズや乳製品はもとより、フォアグラも日本では見られないほど大きなものがサラッと出てきます。その一つ一つが、率直にミシュランレストラン以上といえるほどでした。そんな料理が昼と晩続きます。
 そして男性でも満足する量も南仏的なものでしょう。とはいえ前菜、メイン、デザートの基本構成なので、量もありすぎるということもなかったです。
朝と午後に観光に出て、昼と夜は美味に酔いしれ、空いている時間は屋上テラスで昼寝か読書。ときには日常を忘れられる程に贅沢な時間を楽しむのも人生の経験です。本当の優雅を経験すると、普段の仕事や生活の質も上がると思います。
 そしてお酒好きに嬉しいのは、お酒も基本的にフリードリンクなところです。食事時は赤白ロゼがそれぞれ2種類のチョイスがあり、違いも楽しめます。それ以外の時間もバーに行けば、10種類あまりのカクテルが自由に頼めます。
でもそんなに飲めるものではないですし、昼から酔いすぎれば食事も、観光も台無しになるので、無理はしませんでした。

フォアグラがステーキサイズで出て来たのには驚く
デザートのアイスクリームもたっぷり楽しめた

モッツァレラチーズのサラダ。丸ごと一つの贅沢

 

クルーズ船のライブやパーティ

 最も気に入っていた場所は屋上のデッキで最前部チェア。移り変わる川沿いの風景を眺めることでした。川沿いの流れていく家並みや自然を見ていると、プロヴァンスがどんなところなのか見えて来ます。ガイドブックに乗っている観光地だけでなく、その地域全体がどんなところか見えてくるように思います。
 ディナーの後、ラウンジに行けばなにかイベントをやっています。初日はウェルカムパーティ、中日はライブであったり、ディスコタイムであったり。そして下船前日はフェアウェルパーティ。毎日、朝から晩まで退屈する時間なんてなく、あっという間に過ぎていきます。

リヨン。サンジャン大教会前の青空市
アルル、フォルム広場。「夜のカフェテラス」そのままの風景 
カマルグ号のイケメンスタッフ
マコンでのフレンチライヴ

 

Stay

 クルーズの良さは、船が移動してくれるので、荷造りが下船時の1度だけで済むということが一つあります。となると、荷物を開いて、クローゼットに服をかけて「自分の部屋」にして、あとはラウンジに行って流れていく風景を楽しむということも可能です。
 ここ近年、クロワジーヨーロッパの多くの船はリノベーションして内装が新しくなり広く、シャワールームも陸地のホテル並みに広くなっていました。沈み込んで体を包むようなベッドも心地よく、深く眠れました。
自分の部屋から歩いて2分でバーもレストランも、テラスもあります。そこにはスタッフがいて、飲み物や軽いおつまみを用意してくれます。その感覚は給仕のいるプライベートボートのようなもので、「今だけセレブリティ」(笑)を堪能できます。

クロワジーヨーロッパ、カマルグ号の客室
クロワジーヨーロッパ、カマルグ号のロビーラウンジ

クロワジーヨーロッパ、カマルグ号の全景

なんとなくお洒落なイメージのプロヴァンスですが、実際にはかなり広い「地方」なので、全体をつかむという感じではクルーズは最適でした。そして訪ねたすべての街が魅力的で、すべての街で2日くらい滞在したいと思いました。やはりプロヴァンスは魅力的です。
 出来たら、そのまま1週間くらい滞在して、好きな街をめぐると深くプロバンスを体験できそうです。

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