FOOD

ペナン島の料理:
東南アジアのすべてが集まる

マレーシアの北部(といってもタイよりも南ですが)にあるペナン島は、中世にはイギリスのアジア植民地化の拠点となって発展した島です。マラッカ海峡という海の重要拠点にあり、ASEANの中心に位置し、インド、オーストラリア、中国ともほぼ等距離であり、さまざまな文化が混ざりあった島でした。


 

ミシュランを受賞したチキンライス

 昨年、家族でマレーシアに行ったときに調べた本が「マレーシア地元で愛される名物食堂」サブタイトルが「ローカル過ぎて地球の歩き方に載せられなかった地域密着の繁盛店」でしたが、面白そうな店なので行ってみました。
 見た目はデコラティブでごっちゃなインテリアの中華料理屋さんでした。入り口はあるけど、玄関なのかわかりずらく、中は古い邸宅のようで奥に行くと骨董品屋さんバリに古いものが置かれています。
 そんななか、おすすめのチキンライスを注文すると、その旅行でベストのランチです!(おかわりしました)。「美味しいね」と話すと、去年ミシュランプレートを取ったとのこと。
 失礼ですが「この店で(笑)」と。授賞式の写真が飾ってあったりして間違いないのですが、食べ方としてはチキンライスは、日本で言う「ご飯」のようなもので、主菜は別に頼むような感じです(それも絶妙でしたが)。そして絶対に頼んだほうがいいのがドリンク。南国の果物の香りが立つ、美味しさに惚れ込むものでした。

おった風、夏でも底に冷
おった風、夏でも底に冷 

あのイーハトーヴォのすきとお

 

ペナンの旨味が凝縮されたスープと肉玉

 ペナン島の中華街のメイン通りの一つはキャンベル通りですが、その一本北のKempong Malabarにあるのが漢記です。客席が広く二棟が一緒になった、半分は屋根だけのようなマレーシアらしいお店です。事前情報がなく門構えとお客さんの雰囲気で行ってみました。
 看板メニューらしい豚麺は、乗せる肉の部位を指定できるのですが、初めてなので全くわかりません。店員さんに勧められた肉団子麺にしたのですが、美味しい油感のスープと肉団子、麺の相性が絶妙で、当たりでした。ここも2度行きました。麺なしもあるらしく、別に白飯も注文できます。次回、ペナンに行っても間違いなく行く店です。
 ちなみに謎のティーコーヒーというメニュー。アイスティーとアイスコーヒーのハーフですが、意外にいけました。

おった風、夏でも底に冷
おった風、夏でも底に冷 

 

人が絶えない旧市街の老舗

 中華街キャンベル通りにあるインド料理店がハメディヤでした。いつも並んでいるような人気店だったので入ってみたのですが、いわゆるインド料理というよりはインド系マレーシア料理というのが正確でしょう。
 日本で言うなら、大皿料理で好きな料理を指定して合計で会計します。
本場的なインド系料理は正直判断できないのですが、豪快に料理が乗ったワンプレートは、それだけで楽しさがあります。ここはお行儀良くというより、手づかみで(インド系ですから)骨にかぶりつきながら食べるのがいい店です。
 ちょっと面白かったのは、2階に客席があるのですが、4軒隣の1階にも客席があって、お客さんを引き連れ、料理を載せたお盆を持って出前のように案内していたりするのも、いい風景でした。

おった風、夏でも底に冷
おった風、夏でも底に冷 

あのイーハトーヴォのすきとお

 

マレーシアキュイジーヌの悦楽

 某ホテルのマネージャーが勧めてくれた地元レストランがBaBa Phangでした。ニョニャ料理はマレーに嫁いだ中国人の奥さんの料理のことで、マレーシアと中華がミックスされた家庭料理です。それが昨今キュイジーヌ化してきて、綺麗な盛りつけと新しい試みがされた現代料理として楽しめます。中華ベースなので日本人も好きな味付けで、ここはほかも試したくなって3度行きました。
 おすすめは濃厚な豚角煮のような「黒醤油猪肉」(猪肉は豚肉の意味です)。
いずれも紅糖水を頼みました。味としてはバラの香りのミルクで、暑いマレーシアで冷えた甘い飲み物は美味しいです。
 もうひとつのおすすめだったナシ・ウルマ(香菜の混ぜご飯)はかなり好みがあります。パクチーがだめな人には無理です。たぶんパクチーは南アジアの人はみんな食べられるのかもしれません。

おった風、夏でも底に冷
おった風、夏でも底に冷 

 

ソウルフードのテーマパーク

 気楽にマレーシア料理を楽しむとしたら、フードコートです。ペナン島にはたくさんのフードコート(ホーカーズとも呼ばれています)があり、様々な料理を選んで楽しめます。バイクを借りてあちこち行ってみましたが、私にとっては外れたことがないくらいにどこも美味しい体験でした。ちなみに大型の商業施設にも入っています。それでもチェーン店が少ないマレーシアなので、味の微妙な違いも楽しめます。
 そのなかで代表的な一つが、ニューワールドパークです。環境客が集まるジョージタウン中心部から1kmほどで、地元利用者が多いところがいい感じです。
そのため郷土料理だけでなく、アジア料理の見本市のような感じです。海苔巻き寿司や日本式のラーメンなどもあったりしますが。
 カフェやカラオケ、服屋さんなども入っているプチ繁華街で、ペナンの庶民感を体験するのもいいでしょう。

おった風、夏でも底に冷
おった風、夏でも底に冷 

あのイーハトーヴォのすきとお

 食いしん坊なら、次の旅先はマレーシアで間違いないでしょう。
 と言いながら自分も(周辺にタイ・ベトナムなど旅行的に分かりやすい国があって)昨年初めて行って一発ではまりました。インド、中華、ベトナム、タイ、インドネシアに囲まれているマレーシアは、ちょっと変化した東南アジアの、ほぼ全ての料理が味わえます。
 グルメなら行かない理由はありません。