イスタンブール城壁

Istanbul Lights
2001Mar16~31新宿ミノルタフォトスペース

規模的にも場所的にも自己満足の域でなく、世の中に発表した初めての写真展だった。
起点は初めてのヨーロッパ。ミラノ・ベネツィア・ローマへの旅。
そしてスタートは塩野七生。人生の核に迫る影響を受けた一人の作家である。古代ローマを軸に社会・歴史、つまり人を書いている。
その作品に影響されて、イタリア・古代ローマにのめり込んだ。イスタンブールは古代ローマ帝国の系譜、ビザンチン帝国が最後まで残り、そして滅亡した場所だ。
彼女の語る栄華と衰退。それを体感してみたいと思って、行った。
今はトルコなのだけれど、昔は東ローマだった痕跡が残っている。街にも、人種にも、そして人の心にも痕跡が残っている。
それが写真に写りこんでくる。どこを撮っても写りこんでくる。
人が本来生きていて、精神的に楽なのはこういう事じゃないだろうか。人は基本的にどこかに繋がっていないと不安を覚える。街のいたるところに過去という繋がりがあるだけでも、ずいぶん違う。
六本木ヒルズは安心する建物だろうか?東京ミッドタウンは、ホッとする場所だろうか?
たぶん無意識に撮ろうとしてたのは、結局のところ人だったと振り返ったりした。
 
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